組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第35回研究会開催
 
テーマ 創業者が語る「イノベーションを起こす組織論」
内容
 2015年1月の第35回 事例研究会は、
株式会社リバネス 代表取締役社長COO 博士(生命科学)の
橋 修一郎 様をお招きし、「イノベーションを起こす組織論」と題して、参加者の皆さまとともにディスカッションを進めてまいります。

■講演のポイント

2001年、「科学実験教室」を日本で初めて民間で開始し、科学技術とビジネスをつなぎ合わせるリバネス。社員全員が理系の博士か修士号を持つ、「超科学者集団」です。
リバネスには、本気で「成し遂げたい夢がある」「世界をもっと良くしたい」
そんな熱意に溢れている若者が世界中から集まってきます。
彼らを核としたオープンなネットワークから多彩なビジネスが産みだされ、事業化に成功しています。ブランド豚の自社開発、宇宙教育、町工場とのコラボetc.
また有望な才能を早くから見つけ、2012年に上場を果たしたミドリムシで有名な「ユーグレナ」もその1つで、ベンチャーの事業化も支援しています。
なぜリバネスは、発想やアイデアを次々に現実のビジネスにできるのでしょうか?
そこにはユニークな組織論があるのです。

講師
プロフィール
■講演者プロフィール

2001年に東京工業大学生命理工学部を卒業後、東京大学大学院新領域創成科学研究科修了。専門は植物病理学。大学院在学中の2002年に有限会社リバネス(現・株式会社リバネス)の設立に参加、教材開発事業やアグリ事業を手掛ける。大学院修了後は東京大学教員を務めつつ、独自の民間型研究助成の事業モデルを考案し、産業界・アカデミア・教育界の橋渡しプロジェクトを数多く仕掛ける。2010年より現職。このほか、文部科学省科学技術・学術審議会人材委員会委員、科学技術振興機構ダイバーシティアドバイザリー委員会委員や、東京工業大学大学院非常勤講師、法政大学兼任講師を務める。


   
■日時 2015/1/27(火)18:45〜22:00(開場:18:30)
  • 18:45-21:00 事例研究会
  • 21:00-22:00 懇親会(ゲストも参加されます)
   
■会場 ヒューマンロジック研究所 セミナールーム
(東京都港区白金1-27-6 白金高輪ステーションビル4F)
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第35回研究会 ご報告


第35回目の研究会は、株式会社リバネス 代表取締役社長COO 博士(生命科学)の橋 修一郎 様をお招きし、「イノベーションを起こす組織論」と題して講演とその後参加者を交えた議論を行いました。我々の興味としては、研究者が経営を研究すると…(経営学ではなく)、組織的にどんな意外性があるのか、可能性があるのか、考えてみたかったのです。

今回のお話いただいたリバネス社は『経営を研究』した結果生まれた会社だと言えるのではないでしょうか。ここでいう『経営の研究』とはいわゆる『経営学』とは異なります。つまり、科学の研究者が、普段自分たちが使っている思考方法で企業経営という問題に立ち向かうとどうなるか?ということです。




講演の内容ですが、最初にリバネス社ができた経緯、次に、発展の過程で起こったこととそれにどのように対応してきたのか、最後に、現在の取り組みと今後の展望についてお話していただきました。

その後、参加者からアンケートを頂き、その内容に基づき議論を行いました。



●自らの研究を社会に還元するための組織としての設立
橋さんは講演の中で『自身の専門分野の中で、ある程度の研究を行えばその専門分野の発展に影響を与えることはできます。しかし、それが具体的に社会に還元されているかどうかは専門に偏るほどわかりにくくなります。そのため、自分たちで接点を築いていこうと考えました』とおっしゃっていました。つまり、『自分たちの研究テーマと社会に接点を持たせるためには?』という問いかけの答えの一つとして『経営』という手法を使い、解決しようとしたためにできた会社がリバネスということになります。
そのため、最初に行った事業は、最先端の科学技術をわかりやすく紹介する科学教室を販売していく事業とのことでした。しかし、これは『理科の先生に理科の事業を売りに行くようなもの』ということで、当初はうまくいかなかったとのことでした。そこで、社内で再度リバネスが何を提供すべきかを検討したそうです。それでもやはり教育ということになったそうなのですが、教えるというより、『最先端の科学をわかりやすく説明する(表現する)』というこが主になっていったようです。説明するための方法論として教室や、カリキュラムが必要になり、それに付随して企業側のプロモーションとしてのニーズ、説明の巧みさを見込まれての業界誌の編纂といった形に事業が拡大していったそうです。

こういった主たる方向性と、方法論の展開がバランスよく混在しているような状態は、発展していくベンチャーが共通に持っているものであり、学ぶべき点といえそうです。



●研究テーマはパッションで決め、収益化の方法を考える
 一般的な企業では、研究者は専門に特化して、どう収益化するかは別な人材(部署)が行う構造になっています。リバネス社では基本テーマをどう収益化していくかは提案者含めて徹底的に考えるような形になっているそうです。
例えば、講話の中に出てきた養豚業の例ですが、単純に豚舎を買って養豚をやるということを許可するわけではなく、養豚に関する科学的な知見を蓄積し、そのノウハウを展開するという形で収益化を行っているそうです。
確かに、研究者が何らか新しいテーマを考え、検証するためには、存在したことのない現象をどのように測って、どのように説明するかまで考える必要が出てきます。アイデアだけ考えて、後は何もしないというわけにはいきません。
社会的な接点を伴った研究の全体像を設計する能力を身につけていくという観点では、それは研究者側が率先してやるべきことになるのかもしれません。

●専門家をマネジメントしていくためには
さて、おそらく、アイデアが先行していくようなベンチャー企業が陥りやすい課題として『おもしろそうなテーマがあるときは寝食を忘れて仕事をするが、おもしろそうなテーマが会社になくなれば次を探すことを厭わない』というような人々をマネジメント(管理)するというのがあります。
リバネス社も現在の採用はテーマに対するパッション重視であり、その他の要素はフォローできるとのことでした。
確かに『優秀な研究者』になればなるほど、よい問いを立て続け、その問いに何とか答えを出そうと日々試行錯誤をすることになります。なので、基本的にはよい問いを持っている人を採用するということが前提になるのはよくわかる条件でしょう。
そして、その問いを解決するためにサポート続けるということは企業側に求められることになるかと思います。しかし今後、新たな課題よりも現状の安定を優先せざるを得なくなる場合が出てきたときに、どのような対策を考えていくのかの議論は必要になってくるのでしょう。 リバネス社でも、やっと社員が生活の安定を考え始めた時期らしいので、この方面での研究は途についたばかりということになるのかもしれません。




■研究会としてのまとめ

■議論について

講演後の議論については『イノベーションに取り組んでいますか?』という投げかけのもと行われました。
行われた議論のいくつかをピックアップしました。

●多くの事業を新しく立ち上げることは、失敗も多くなるのでは?
お答えとしては『赤字事業はやらない、というか赤字事業にならないように考えてから始める』。収益化するかどうかを徹底的に考えてから事業化しようとするとのことでした。

●新しい発想(問い)を常に生み出すための施策は?
アイデアを募集したりもしたそうですが、やはり熱量が落ちると感じたそうです。できるだけ、『思いついた時に言いやすい環境を保持する』という観点で考えているとのことでした。

●継続的な企業の発展を考えた時に、報酬体型などをどうしていくか?
『事業という観点で全員が考えられるようになるということで、報酬自体も自身で考てもらうようにしている』とのこと。ただ、『立ち上げたメンバーが生活を考える時期にきていることも事実なので、今後は体系的なものも必要になるかもしれない』とのことでした。






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