組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第33回研究会開催
 
テーマ 「ユナイテッドアローズの躍進の理由を語る」
内容
 2013年 6月の事例研究会は、
株式会社ユナイテッドアローズ
 第一事業統括本部 統括本部長 取締役 常務執行役員の
東浩之 様をゲストにお迎えいたします。

■講演のポイント

人事部長、経営戦略部長、社長室長等、入社して本部スタッフを一貫して歴任され、40歳で初めて現場に行き、現場を変えた張本人。
東さんに登壇していただき、UA好調の秘密と経営と組織・人に関してお話をしていただきたいと思います。

講師
プロフィール
■講演者プロフィール

[略歴]
1988年 慶應義塾大学商学部卒業
1988年 (株)ワールド 人事部(東京)
1992年  人事企画部(神戸本社)
1993年  経営企画部
1996年 (株)ユナイテッドアローズ 社長室 人事課 課長
2000年 人事部 部長 兼 経営戦略部 部長
2004年 経営管理本部 副部長 兼 経営管理本部 経営戦略グループ グループ長
2005年 社長室長 室長 兼 社長室 経営企画課 課長
2006年 UA本部 副本部長
2008年 UA本部 本部長
2008年 上席執行役員 UA本部 本部長
2012年 上席執行役員 第一事業統括本部 統括本部長
2012年 取締役 常務執行役員 第一事業統括本部 統括本部長(現任)


   
■日時 2013/ 6/ 6(木)18:45〜22:00(開場:18:30)
  • 18:45-21:00 事例研究会
  • 21:00-22:00 懇親会(ゲストも参加されます)
   
■会場 ヒューマンロジック研究所 セミナールーム
(東京都港区白金1-27-6 白金高輪ステーションビル4F)
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第33回研究会 ご報告


 今回の組織人事戦略研究会は、ゲストスピーカーとして、株式会社ユナイテッドアローズ 常務執行役員の東浩之さまにお越しいただきスピーチしていただきました。本部スタッフを歴任後、40歳で現場へ転身。本部と現場を経験したからこそ見えた理念浸透の重要性に関してお話しいただきました。



 東さんは、UAの創業期から人事部長、経営戦略部長、社長室室長と管理の場面から経営を支えてきました。しかし、UAが上場し、その後経営不振となった時、東さんは事業本部長として現場に異動し、業績回復のための改革を始めました。

まず、何としても業績を上げることが東さんの使命でしたが、東さんは「5年後に必ず利益率を達成する。だから口出ししないでほしい」「プランは報告する、でもそのダメ出しは自分にしてほしい」と自己流で現場改革の責任を担いました。

その背景には、管理部門が強くなりすぎてしまった組織風土があり、東さんはそれを作り上げてしまったのは自分でもあるという思いもあったそうです。

■人事から現場へ、制度より大切なとことん聞く姿勢

 世の中には、本部の戦略で動かすビジネスモデルを持つブランドや小売もあります。しかし、UAは創業のころから、素晴らしい企業を作るのではなく、素晴らしい店を作ることを大切にしてきました。あくまで理念にもあるようにお店を大切にする現場主体の企業にしていくことが必要になります。

お店の意見をいかにUAの施策に生かすか、東さんはこれを改革の命綱と考えていたそうです。

これは、人事と現場の事業本部長を務められて、やはり重要なのは現場であるという認識に立たれたということだそうです。

本部でブランド、仕入、店の問題点を挙げることはできますが、それが店の問題とずれていることがあります。課題設定がずれると解決策もずれてしまい、問題解決にはなりません。しかし、現場に足を運び、お客様のことを一番よく把握している販売員から問題点を聞き出すと、自動的に解決策は見えてくるとのことです。

東さんはお店を徹底的に回りました。この時、お店の従業員は「本部に言ってもしょうがない」となかなか本音を聞き出すことができません。

東さんは、この問題に対してとことん話すことで解決したそうです。時には店長と飲んで、本音を聞き出すまで飲み続けたそうです。翌朝ふらふらになりながらも、ホテルに戻って議事録を作り、聞き出せた本音を本部の部長たちにそのままの言葉で生々しく伝えました。明らかに、仕入れなどに対する課題感で本部と現場の感覚が、ずれていたものもあったそうです。東さんは、現場に足を運ぶことでそれを発見したとのことです。


そういった活動を通して、現場の声を徹底的に共有し、“店が本部を動かす”体制を整えていったそうです。

また、現場に決済権を持たせるために、肥大化してしまった管理部門のスタッフを減らし、現場にラインスタッフを増やすような施策も行いました。600人に対し20あった部・課・室を半分にしたそうです。

もちろん、役職がなくなる人もいるわけですから反発もあったそうです。東さんは、この反発に対しても、一人ひとりと話して(時に朝まで飲んで)納得してもらうという手段で解決したそうです。



■改革の最中に気付いた企業理念の必要性

 改革の際、理不尽な要求もしなければなりませんでした。そんな時、助けられたのは企業理念だそうです。「店はお客様のためにある」という理念は、社員がなぜここにいるのかを明確に表現しています。少々無理な要求も、理念にさえ沿っていれば、説得できてしまうし、社員も納得してしまうのです。

 ある日、店長が自発的に、店舗内で理念ミーティングを行っていることを耳にしました。そういった、理念浸透ミーティングを行っていたのはうまくいっていない店舗が大半だったこともわかりました。

確かに、店長も「自分についてこい」とメンバーを動機付けるのは大変です。しかし、「理念にこうあるから、この通りやってみよう」と店をまとめ、理念をツールとしてマネジメントに活用されていたのです。

■理念で飯は食えない、しかし拠り所になる。

 理念浸透は直接的な業績回復には正直つながりません。理念は、業績が悪い時には、必ず理由があり、それを正す時に使えるツールだという認識です。

つまり、何かあった時に、自問自答するとき、理念は非常にわかりやすい拠り所になります。従業員が会社に向き合う機会を提供するものでもあります。なぜUAで働いているのか、UAをどうしたいのか、あなたはではどうするの?、と問いかけの一つのツールといえます。

幹部会を行うときに、東さんはUAの強みは何かと幹部に聞くそうです。その時必ずトップに挙げるのは理念浸透です。もちろん人それぞれ理念活用の頻度や理解度は違うといえます。しかし、幹部から店まで理念を使っているのがUAの強みであり、UAらしさという認識は持っているそうです。



■研究会としてのまとめ

東さんのお話では、管理部門が施策を設計するだけでなく、いかに現場に入っていくかの重要性を示しています。また、現場よりも情報の少ない管理部門が、企業理念を拠り所とすることができる、そのあたりは重要な示唆になると思います。
現場で問題が起こっているのに、机にいては何も答えは見つかりません。東さんは、本部スタッフと、現場の長を体験することで、最前線の人材とトコトン話すことを常に問題解決の手段として使ってきました。時間も体力もいる方法ですが、机上で解決策を考えているよりずっと生産性があるといえるようです。戦略人事という観点から考えるなら、如何に現場の役に立つように現場に介入するかが問われるのです。





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