組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第31回研究会開催
 
テーマ 「ユー・エス・ジェイにおける人と組織のマネジメント」
〜風土醸成への取り組み〜
内容
 2013年11月の事例研究会は、
株式会社ユー・エス・ジェイ 執行役員 人事・総務本部長の
下村 敏啓様をゲストにお迎えいたします。


■講演のポイント

ユー・エス・ジェイは、正社員からパートタイマー・アルバイトまで、多様な人材の活用を実施しています。
また組織マネジメントの一環として、「EVERYTHING IS POSSIBLE.SWING THE BAT.」というスローガンのもと、常に新たなことにチャレンジしていく風土の醸成を推進しています。
それらの取り組みについて、下村様よりお話いただきます。

講師
プロフィール
■講演者プロフィール

1988年 大学卒業後、株式会社西武百貨店入社。店舗にて売場管理2年の後、店舗人事にて人事業務全般を担当、その後本社人事にて制度企画・人件費管理を担当。
2000年 開業前の株式会社ユー・エス・ジェイ(ユニバーサルスタジオジャパン)に入社し、人事制度・労務管理全般の立ち上げを担当。
2005年 新マネジメント体制下でのCFT(クロスファンクショナルチーム)のリーダー等の経験を経て、
2008年より人事部長、2012年より現職。


   
■日時 2012/11/28(水)18:45〜22:00(開場:18:30)
  • 18:45-21:00 事例研究会
  • 21:00-22:00 懇親会(ゲストも参加されます)
   
■会場 ヒューマンロジック研究所 セミナールーム
(東京都港区白金1-27-6 白金高輪ステーションビル4F)
地図: 会場までの地図はこちらをご確認下さい.
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第31回研究会 ご報告


 今回は、株式会社ユー・エス・ジェイ(USJ)で組織風土醸成に取り組んでこられた下村様にお越しいただき、スピーチをしていただきました。
 お話の骨子は、制度だけを整備しても、組織の活性化、従業員の動機づけ、成長の意欲づけをしていく上で不十分であり、「組織風土」を醸成していくことが重要であるということでした。

組織風土醸成への取り組み

数年前から、組織活性化や成長意欲を引き出す施策として人事制度の整備をしてきました。2010年には、グレン・ガンベル社長が「自立・変革・スピード」を促すメッセージを発信しましたが、まだ組織全体には浸透していないということが明らかになってきました。
職場風土に関する社内アンケートでも、社長の発信したメッセージが「よく理解できない」や「競争を避ける」「チャレンジを尊重する風土がない」などの意見があったのです。
このような問題意識を経て、「スローガンの見直し」から組織風土醸成に本格的に取り組むこととなりました。

〜改革へ〜
まず改革への第一歩として、従業員全体が“目指すべき職場風土”を明確にするため、次のような全体スローガンを設定しました。

   「 Decide now Do it now. Everything is possible. Swing the bat! 」

次に、本部長を集めて「なぜスローガンが必要なのか、実現するために何をすべきなのか」ということを考えるためにワークショップを開催しました。
それまで本部長全員が一同に会する機会はほとんどありませんでした。皆さん忙しい人たちばかりです。しかし、この時は集めたのです。これは「人事は本気である」というメッセージでもあります。
そこで、本部長たちがそのスローガンを基に行動するため、Speed,change,risk take,fun,challenge,ownershipの6項目の行動目標を設定しました。
次に、このワークショップの内容を受け、本部長を中心にして部長、次長クラスへのワークショップを開催しました。このワークショップでは「自分の部門ではどのような職場風土を目指すのか」を具体的に討議しました。自らが設定していくことで、逃げられない状況を生み出したのです。
次は現場の巻き込みです。各部長らがキーパーソンとなって現場の風土を変えていくプロセスです。彼らにも理論武装してもらうために、外部から講師を招き、「変革のためのコーチング」を行いました。これは彼らにとっては少し安心材料になったようです。

一方で、目標を周知徹底するための全体的な仕掛けを実施してきました。ポスター、社長ミーティング、GMセッション(縦のコミュニケーション)、ユニバーサルカフェ(横型のコミュニケーション)、社内SNS、イベント開催など数々の施策を取り入れました。しかしそうした中で難しいと感じたのは、仕掛けが個々の行動につながった結果、如何にして行動した人を評価するのか、また仕掛けが継続的に繰り返されていくために、評価が今後更なる行動を促すための誘発要因としてどうやってサイクルさせていくのか、ということでした。

そのために行動した人を表彰する褒賞制度を取り入れ、評価制度(swing the bat!を元に)を変更しました。
この評価や表彰の内容が社内に周知されることを狙い、かつ短期的に成果を実現するために部門横断的な2つのチームを作りプロジェクトを動かしました。「どうしたら年間パスポートの更新率を上げられるか」「どうしたらゲストの滞在時間を拡大させられるか」というような、日常業務ではなかなか手をつけにくいテーマを選んで取り組んでもらい、そしてその成果は社内報で社内に周知されるようになっています。

このような取り組みを実施しつつ、組織風土の変化については逐次アンケートを取って追いかけています。
例えば、部下から見た「部長、次長の行動が変化したか」という問いかけは、大きく変化してきています。
また、「アイデア募集の応募数が4倍に増加」などといった効果も出ています。


パートタイム、アルバイトに対する取り組み
「マジカル・モーメント・プロジェクト」

ユー・エス・ジェイではパートタイム、アルバイトに対して自発的な行動を促すために、「ポジティブ・インターアクション」という、お客様との一対一のコミュニケーションを促進する取り組みを行っています。
彼らの中には、お客様から質問されたことには丁寧なゲストサービスができるし、通りかかる多くのお客様皆さまに向かって語りかけていくことなどはできるものの、「何のきっかけもなく一対一でお客様とコミュニケーションを取ることは難しい、恥ずかしい」という意見があります。
そこで、レジでの会計時に話しかけたり、園内を歩きながら何かを食べている子供に話しかけたりするなどの工夫を通じてコミュニケーションを図るようにしています。
「ポジティブ・インターアクション自体を一つのアトラクションとして感じていただくことはできないか?」そのような想いも込めての取り組みでした。
こうした中でお客様と心が通じた瞬間を「マジカル・モーメント」と呼んでいます。
この取り組みの結果、お客様アンケートでは、「従業員のサービスに満足」という項目の評価がかなり向上しました。

今後の課題と取り組み
最近、全社共通6項目の他者評価平均値の変化が年々小さくなってきていることから、ややマンネリ化してきていると危惧を抱いています。
そのため、今後取り組んでいきたいことは、部長・次長ワークショップをより重ねていくこと、部だけでなく本部別に組織風土変革プロジェクトの推進、外部講師による「グループコーチング」、上司や同僚からの日常的な感謝と賞賛の活発化などです。

まとめ
組織風土の醸成において効果的と考えられるポイント
・トップが示した方向性を、主要マネジメント層がしっかりと共有すること
・組織風土を変える意味や、そのための具体的な行動目標を、わかりやすく明文化すること
・情報発信やコミュニケーションの質と量を拡大したことと考え、「あたり前」とされることを徹底的に着実に進めたこと





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