組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第30回研究会開催
 
テーマ 「企業文化を変革させるための帝人の人材教育戦略」
〜帝人が海外で実施した10日間の新人社員研修の狙いとは?〜
内容
 2012年1月の事例研究会は、
帝人クリエイティブスタッフ株式会社 採用・人財開発部 人財開発グループの
武井 衛様をゲストにお迎えいたします。


■講演のポイント

帝人はグループ企業の新入社員全員に対して、入社後、海外(インド・中国)にて
研修を実施されています。
なぜ、全員参加にこだわられるのか?当初は現場の反対意見もあったそうですが、研修後の新入社員の学びや体験談が、社内の雰囲気を変えつつあることで、現場からの賛同も得られたとのことです。

企業文化は、如何にして変わっていくのか。取り組みを実施されるにあたって苦労された実体験を交え、帝人の人材教育戦略についてお話いただきます。。

講師
プロフィール
■講演者プロフィール

1995年 4月 帝人入社、帝人松山事業所勤務
1997年 5月 教育部(生産技術現場の人財育成を担当)
2000年 4月 人財部(経営コア人財育成制度の企画など)
      帝人岩国事業所・三原事業所にて勤務の後、
2010年 5月 採用・人財開発部 人財開発グループ長


   
■日時 2012/1/26(木)18:45〜22:00(開場:18:30)
※21:00〜22:00は講師参加の懇親会です。
   
■会場 銀座フェニックスプラザ 紙パルプ会館
(東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館)
地図:会場までの地図はこちらをご確認下さい.
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第30回研究会 ご報告


今回の組織人事戦略研究会の研究テーマは『「企業文化を変革させるための帝人の人材教育戦略」〜帝人が海外で実施した10日間の新人社員研修の狙いとは?〜』で開催いたしました。
帝人は2011年よりグループ企業の新人社員全員74名を対象に、インド、中国にて10日間の新人社員研修を実施されています。今回はゲストスピーカーとして、帝人クリエイディブスタッフ株式会社、採用・人財開発部人財開発グループの武井衛様にお越しいただき、研修実施に到るまでの背景や狙いについてお伺いしました。

■トップの危機感
海外展開が進む中、海外転勤しているのはベテラン社員が中心。「次世代、若手社員に機会を提供していかなければ」、というトップ自らの危機感はあったようです。そのような最中、ある新聞社の「若手社員の海外志向の調査」で『5割近くの社員は海外に行きたくない』という結果を見て、自社でも調査をしたところ、「5年目までの社員の約4割が希望しない」という結果だったそうです。「これではいけない」というトップの強い想いにより、新人研修を海外で実施することが決定されました。また実施における条件は、「新人社員全員」でした。それはグローバル企業グループとしての認識の共有化にこだわりがあったためです。


■多数の反対意見から納得を得た1枚のスライド。「原体験の重要性」
海外研修における社内意見は、「なぜ全員なのか?優秀な中堅社員で良いのではないか?」「何かトラブルがあった場合、どう責任を取るのか?」というようなものであり、反対意見が大半だったようです。では、人財開発部はどのように周囲を説得されたのでしょうか。

人財開発部は社員へアンケートを実施しました。「一番印象に残っている研修は何か?」という質問の回答内容は、入社後2〜3年までの経験を記入しているものが多かったようです。人財開発部は改めて、社会人初期の経験の重要性を痛感し、以下のようなメッセージを現場説明への1枚のスライドに込めました。
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『入社後の数年が「原体験」としてひとり一人に焼き付けられていく。これからは新しい現場である海外を経験させることが重要になってくる。海外での「原体験」は、役に立つものもあれば、役に立たないものもあるかもしれない。しかし、「原体験」が少なければ、結びつける選択肢が減り、身につく知恵も少なくなる。つまり「原体験」が礎となるのではある』
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トップの危機感、強い想いと、説得を重ねて最後は現場を押し切ってでも行くという人財開発部のこだわりが、海外での新人研修を実現したのでした。


■研修後の新入社員の感想・研修の効果
海外研修は「健全なカルチャーショックを如何にして与えるか」にポイントが置かれました。結果、「質の高い意見を発信できる人材にならなければ通用しない」「世界市場を視野に入れ、向上しなければならない」「異文化理解の奥深さを体験した」このような感想とともに、「自ら踏み出す意欲が重要」という意志を持った新人社員がほとんどだったそうです。


■社内に生じた変化
参加者の感想を聞き、当初反対されていた方々も実施の効果を納得されたようです。またこのような取り組みが、「海外での経験は今後必須である」という暗黙の社内メッセージにもなったのか、社内の語学テスト受検の自主参加率も高まっているようです。他の若手社員にも学会や出張で海外に積極的に送り出そうという社内での意志も高まったとのことでした。


■10年間で企業文化を変革させる
武井様はこのようにも語っていました。
「弊社では管理職になるまで10数年です。今後10年に渡って海外での新人社員研修を実施することで、管理職になる前の人材が、ほぼ「原体験」として海外を経験することになります。彼らの中に擦り込まれた原体験が自ずと企業のカルチャーを変え、将来の我々の会社を変えるものだと思います。」


<参加者の声>

新人の反応だけでなく、現場の反発やその根拠など、具体的なお話が大変参考になった。

「企業文化を変える」という困難で大きなテーマの取り組みのヒントを頂けました。

海外に新卒を送る取り組み、実践するまでの前後まで聞けたので判りやすかった。素晴らしい取り組みだと思います。

お話が具体的でわかりやすかったです。



■研究会としてのまとめ
「良質な原体験」が集約されていくことが、企業文化を変革していく。現場の反対があったとしても、周囲への説明を真摯に続けられた人財開発部の取り組みや、何よりトップの「絶対にやり切る」という想いが変革には重要なのでしょう。





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