組織人事戦略研究会
戦略人事について キャリア開発について 組織を強くする為に 組織人事戦略研究会について コラムコーナー データダウンロード 問い合わせ
過去の記事
 

【当日のレポートはこちら】


組織人事戦略研究会 第21回研究会開催
 
テーマ 「日産自動車の人事戦略 変革を推進してきた人事部門の取り組み」
内容
 2009年3月の事例研究会は、
日産自動車株式会社 人事部採用・異動グループ担当部長 中井 誠 様をお迎えします。


■講演のポイント

 日産のゴーン改革ではコストカットについて注目されがちですが、実は人材投資の一面においても大きな変化があったようです。

 改革以前の時期は「失われた時代」と社内でも呼ばれるくらい「人材を活かす取り組み」が少なくなっていたとのことです。しかし、ゴーン体制になって、この取り組みが大きく予算化され、実行されているそうです。

 今、市況の厳しい折、多くの企業ではコストのスリム化が叫ばれていますが、「変革を推進していくために」人材への投資は、これまでにも増して重要になってくるのではないかと考えています。

そのあたりを「変革を推進してきた日産人事部門の取り組み」を参考してみましょう。


講師
プロフィール
■講演者プロフィール

1982年早稲田大学法学部卒業、同年日産自動車株式会社へ入社。
栃木工場総務部人事課、人材開発部能力開発課、ニッサン・ヨーロピアン・テクノロジー・センター(英国)への出向、研究設計総務部人事課等を経て、現職。


   
■日時 2009/ 3/19(木)18:45〜22:00(開場:18:30)
※21:00〜22:00は講師参加の懇親会です。
   
■会場 銀座フェニックスプラザ 紙パルプ会館
(東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館)
地図:会場までの地図はこちらをご確認下さい.
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第21回研究会 ご報告


今回の組織人事戦略研究会の研究テーマは『日産自動車の人事戦略 変革を推進してきた人事部門の取り組み』で開催いたしました。

ゲストとして日産自動車株式会社 人事部採用・異動グループ担当部長 中井 誠 様にお越しいただき、日産自動車における人事制度、教育制度の変遷を中心にご講演いただきました。


中井氏が冒頭『去年までなら大手を振ってこういう話ができたのだが・・・』とおっしゃったように、昨今の経済危機で自動車産業は大きな影響を受けている業界といえます。そんな中で日産自動車がどのように人材をとらえ、これからどうしていこうとしているのか。そういったことを知る良い機会になったと思います。
また、それらの人事施策を進めていく上での「トップの関与」について参加者全員で討論を行いました。


日産自動車における人事施策について

日産リバイバルプランが発表される前までの日産自動車の中では

機能、地域、職位、横断型の業務の不足→情報の囲い込み
全社員が共有したビジョンや中長期計画の欠如→かけ声倒れになっていた。

というような現象を感じられたそうです。また、『シーマ現象』のように、そのうち追い風が吹くだろうというような楽観的な空気があったようです。ある種の成功が自社の改革を遅らせるというのはどの企業にも起こりうる事かと思います。日産自動車としての人事改革の取り組みはこういった空気を作り出している状況を変えることから始められたようです。
リバイバルプランの中では日産改革の代表的な事例である部門間の人事交流を促進するクロスファンクショナルチームや、その他にもグローバル人材育成におけるサクセッションプランの運営や人材を全社一律の基準で評価する試みや、ビジョン共有として評価に日産WAYを加えるなどの試みが行われていったようです。
こういった施策は施策自体の有効性よりも施策をどのように行っていくかの方が重要になってきます。

リーダーが人事にどうやって関与するか

施策を有効に機能させるにはトップの明確な方針と、活動し続けることが重要であるといえます。中井氏のお話の中では「「方針が明確である」ということは「これをやれば生き残れる」という道を示すということであるとのことでした。また、トップはその方針に基づいた行動を自ら行っていくことで、そのことの重要性を示す必要があります。ゴーン氏は方針を明確に示した後、自ら積極的にリーダー育成や採用活動に関与しているとのことです。
もう一つ継続性を支えているものとして、日産が一つの危機を乗り切ったという経験(自信)という物があります。日産ほどの大会社が『ルノーとの提携無しには生き残れない』というところまで追い込まれたのち、そこから会社を安定させるまで建て直したという経験は、現在社で取り組まれている施策を進めていく上でのバックボーンになっているというのは言葉の端々に現れていたように思われます。

グローバル企業としての課題

最後に今後の人事的なマターとしてのお話がありました。人事としてはグローバルで活躍できる人材をいかに育てていくかということに課題意識があるようです。また、ダイバーシティにどう対応していくかということも重視されていました。ゴーン氏は「ダイバーシティは難しい。だが、それだけの価値があるからやっているのだ」とおっしゃったそうです。
地域のベストプラクティス、優秀人材をどのようにグローバルに展開するかというのは前回三菱商事の松田氏が中心に話されたことですが、グローバル企業が皆直面している課題と言えるのかもしれません。


参加者からの質疑

討議のテーマとして人事施策に対するトップの関与という観点で質問を受けつつ討議を行いました。参加者のアンケート結果は以下の通りです。

企業規模の問題もありますが、概ねトップは人事に関与している傾向が見られました。

討議の中で出されたご意見をご紹介します。

◇管理部門長をトップが兼任しているため、上下間で話し合うというよりは一方的な通達のような形になっている。ビジョンを共有して行くにはどうしていけばいいのか。
カルロスゴーンという人も明確なビジョンを示してそちらに引っ張ろうとする人であるが、ビジョンを共有、浸透させて行くには、ことある毎に繰り返していくしかないとのことでした。そのためのツールは世の中にたくさん出回っている。ツールではなく、いかに利用する数を増やすかということになるとのことでした。

◇トップのメッセージは強いが、権限委譲してしまう。ある種自由にできるのだが、人事としての成果をいうものをどのように考えていけばいいのか。
会社の戦略と合わせて行くことは必要だし、会社全体の業績が人事の結果と考えることもできる。ただ、人事として必要なのは会社の最前線にいる人たちに安心して活動できるように人材を供給していくことにつきるのではないか。

◇海外の採用において権限を現場に持たせてしまうと、コントロールしにくいのでは。
グローバルにやるべき事とはどのように日産の良さをグローバルに伝えていくのかを考えている。プロセスの中で日産ウェイをどのように含めていくのかといったことを共有している。リージョンに任せるべき事はあるが、共有すべき事は共有していく必要がある。


<参加者の声>
「体系的に分かりやすく説明いただきまして、ありがとうございました。とても参考になりました。」
「グローバルでの取り組みや、キャリアコーチの例など、参考になりました。」
「実際の人事の大改革に取り組まれたということで、その大変さを感じることが出来ました。」
「良い人材を世界中から引っ張ってきて、うまく機能させる仕組みが構築できるのは、とてもやりがいがありそうだと感じました。」





メルマガ登録お問い合わせサイトマップ著作権について