組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第20回研究会開催
 
テーマ 「三菱商事のグローバル化における人材戦略(歴史的考察)」
内容
 2009年1月の事例研究会は、
三菱商事株式会社 HRDセンター グローバル人材開発室長 松田 豊弘様をお迎えします。


■講演のポイント

事業戦略においても人材育成においても“グローバル”は大企業が重要視しているテーマのひとつです。

今回は三菱商事においてグローバル展開をしていく中で、いかに海外の非日本人社員との連携を維持・強化しながら、個々人及び組織の生産性を高めていくかを「明確な適材・適所・適時」をテーマに、主に「マネジメント・キャリア・トレーニング」という取り組みを中心にお話頂きます。


講師
プロフィール
■講演者プロフィール

法務部、人事部、インドネシア駐在、国際人材開発室、
香港駐在(アジア地域HRD担当)等を経て、現職。
国内外の採用、人材育成を一手に引き受けているHRD センターで主に海外オフィスのHRDおよび海外駐在員のHRDの企画立案および実施、更にはバイリンガル化に注力中。


   
■日時 2009/ 1/28(水)18:45〜22:00(開場:18:30)
※21:00〜22:00は講師参加の懇親会です。
   
■会場 銀座フェニックスプラザ 紙パルプ会館
(東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館)
地図:会場までの地図はこちらをご確認下さい.
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第20回研究会 ご報告


今回の組織人事戦略研究会の研究テーマは『三菱商事のグローバル化における人材戦略(歴史的考察)』で開催いたしました。

ゲストとして三菱商事株式会社 HRDセンター グローバル人材開発室長 松田 豊弘様にお越しいただき、企業のグローバル化に伴う人材確保と育成についてご講演いただきました。


松田氏のお話によると、実はグローバル企業に関してはベンチマーク先がそんなにあるわけではなく(特に日本発だと少ないので)実際体験してきたことがノウハウになっているとのことでした。今回はその一端をお話しいただいたということになります。

まず問題提示があったのが、海外の優秀人材に日本企業が敬遠される理由です。
松田氏は2点ご指摘されていました。一つは日本企業が、グローバル人材市場の中で市場価値がわからないということ。もう一つは『日本語』の問題があるとのことでした。


グローバル市場の中での企業の位置

日本企業が、グローバル人材市場の中で市場価値がわからないというのは、自分が日本企業で働くことで、どんな知識が得られ、どのようなキャリアを構築できるのかが理解されていないということです。これはつまり、日本企業が海外の人材市場でどのように見られているかを把握していないということにもなります。

松田氏によると、海外の優秀人材を確保して行くには、その市場環境と自社の位置に合わせた対応が必要とのことでした。つまり、グローバルに優秀な人材は、グローバルな市場環境や競争相手との相対的な位置に合わせて獲得する必要があり、ローカルで優秀な社員はローカルな市場環境に合わせて獲得しなければならないということです。

 海外の拠点マネージャーにはそのコントロールが求められます。つまり、拠点マネージャーは、その地域での優秀人材確保のためにはその地域に合わせて人事制度(処遇制度)を自在に変更する必要があるとのことです。また、採用した人材に対して、何ができればグローバル社員(つまり本社の幹部)になれるのかを正確に説明できないといけないということになります。そのためには、必要とされる人材要件や、経営計画、理念などを正確に伝達する能力が求められます。
一般的には、自分で人事制度を変えたことのあるマネージャーはほとんどいません。また、役職に対するコンピタンスなどを正確に説明できる人材も少ないとのことです。その点には教育が必要であり、現在、三菱商事では相当厳しい教育訓練を行っているとおっしゃっていました。


『日本語』の壁を越えるには

さて、海外の拠点マネージャーが正確に人材要件や経営計画、理念などを説明するためには、それがバイリンガル化されていることが前提になります。三菱商事では社内報などを含めそういった情報は正確にバイリンガル化しているとのことです。つまり、日本語のみで共有されている情報を少なくし、信頼を得ることが必要だということです。

そうはいっても、リアルタイムの経営情報を全てバイリンガル化することには時間的、コスト的に無理があります。であれば、三菱商事で役員になるためには、日本語ができてもらわなければならないということになります。海外の優秀人材で、且つ、三菱の理念に共鳴してくれるような人材であれば、日本語の必要性というのは理解してもらえるとのことです。そうやって海外の優秀人材を日本語化していくことが重要であるとのお話でした。
必要なことは、そのような海外の日本語化された優秀人材が活躍する所を実際に見せ、本社側が必要性を感じ、より海外の優秀人材確保を重視するようにしていくことだといえます。


討議を通じて

以上のような内容をふまえて参加者間で討議が行われました。

質問としてまず、海外に出て行ったとしてはじめにやらなければいけないことというものがありました。重要なのは、海外で優秀な人材を確保し、その人材をリテインするために必要なことをしていくことだとのことでした。その人材や扱い方が明確な指標となるので、まずそういった人材を増やしていくことが重要だとのお話でした。

また、ローカルで必要な人材と、グローバルで優秀な人材などについても疑問が出されました。ローカルはその地域の中でも、誰に対して商売をしているかで変わる。つまり海外に出ている日本企業相手であれば日本語がしゃべれるほうがいいし、中国国内で、中国人相手に仕事をするのであれば別なビジネスモデルが必要であり、必要な人材も異なるとのことでした。グローバルで優秀な人材とは、地域の収益を見ながら、それを本社(全社)の収益で考えられるような人であるとのことでした。そういった人材であればどの地域にいても優秀といえるとのことでした。


まとめ

全体を通して、真にグローバル企業であるということはどういうことかについて改めて考えさせられました。グローバル化を考えるとき、まず、日本から海外へ、もしくは、海外から日本へと考えがちです。しかし、本当のグローバル化とは、海外と日本が並列になり。日本の得意なところは海外へ、海外の得意なところは日本へ、海外同士で必要な情報は日本を経由しなくても流れていくということを実現していくことだと言えます。

また、そういった環境構築のためには、海外で優秀人材を採用し、それを維持していくという地道な作業を繰り返していくことも重要であると感じました。

グローバル人材というお話ではありましたが、全ての企業で優秀人材を確保し、どう育成していくか。もしくは、本社から離れた拠点でどのように人材を育成していくかといったことにもつながるお話であったと思います。


松田様を交えての懇親会の様子



<参加者の声>
「日本を活き活き変える活動に共感します」
「苦労されて見つけられた知恵と感じました」
「最前線を垣間見た気がしました」
「三菱商事様での人事戦略を汎用的な形でプレゼンいただき、大変分かり易かった」
「経験と理論の両方からのお話がとても参考になった」
「お話が流暢、ユーモアもあるが、沢山の核心を聞けました。ヒントも色々見えたように感じてます」
「非常に貴重なお話を聞くことが出来ました。松田様の日本を変えたいという思いが非常に強く響いた」
「松田さんが組織のHUBとしてどれだけ知恵と汗を出されたかと推測できます。大変貴重なお話に感謝しております」
「意欲、ガッツがある一方で、ロジカルなアプローチがよくわかりました」





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